掏摸・王国 中村文則

「掏摸」と「王国」は同じ世界に属する二人の男女のストーリー。
ハードボイルドというほど硬くないが人情味などという湿っぽさもない、干からびかけてはいるがまだ弾力を失っていない生物のよう。
その水を得られればいつでも逃げられるのに決して手に入らない、渇望と諦観。

王国の主人公が変装するシーンで、彼女の私服がバレンシアガのコートにクロエのスカートでバッグがコーチという組み合わせは無しだろう、男性作家だから詰めが甘いのかと思ったが、
そのチグハグさが主人公の壊れ具合を表現しているとしたら計算されたコーデかもしれない。
(危険な女がスタイリッシュなのはドラマや映画だけ、現実では驚くほど変な服を着ているのがセオリー)
そんな細かい描写がいい。

二人のその後が知りたい。続編希望。
この役を演じたい若手俳優が沢山いそう。


掏摸(スリ)
河出書房新社
中村 文則

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